読書録・書評

【読書録・書評】『2020年以降の業界地図 東京五輪後でもぐんぐん伸びるニッポン企業』(2/3:カジノ・越境EC・イスラム教関連)

ここでは、以下の書籍についてのレビューを書いていきたいと思います。

1.書籍の概要

まずは、本書の概要からです。

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  • 分類:株式投資、個別株、投資テーマ

本書のはじめに、「さまざまな投資法があるが、未来を創る優良企業への投資が株式投資の王道だろう」とあるように、本書では色々な観点から、日本の優良企業が列挙されています。

その数は延べ217社と多岐にわたるため、ここでは以下の記事で書いた第1章・第2章の「電気自動車関連」に続いて、第3章のカジノ・越境EC関連と、第4章のイスラム教関連にだけ絞ってレビューしていきたいと思います。

なお、本書の章立ては、以下のようになっています。

  • 第1章:電気自動車で儲かる企業群【パート1】
  • 第2章:電気自動車で儲かる企業群【パート2】
  • 第3章:外国人相手に稼ぐ企業
  • 第4章:イスラム関連ビジネスで伸びる企業
  • 第5章:国内の少子高齢化に勝つ企業
  • 第6章:社会貢献企業に投資しよう

2.カジノの設置場所に関連する企業

本書の第3章では、「外国人相手に稼ぐ企業」とのことで、カジノ関連企業を中心に、越境EC関連企業についても取り上げられています。

ここでは、カジノ関連企業についてだけ見ていきますが、カジノ関連といっても、「設置場所や運営、ゲーム機器に関連する企業」から、「セキュリティ機器や警備に関連する企業」などがあります。

まずは、前者について見ていきたいと思います。

そもそも、カジノについては、政府が五輪後の外国人誘致の手段として重視しているものになります。

また、カジノ単独ではなく、ホテル、ショッピングモール、劇場、アミューズメントパーク、国際展示場などが一体となった統合型リゾート(IR)を設置することを目指しているのです。

そして、IR実施法案によれば、まず国内3か所に設置されることになっており、その有力候補地に関連する企業が挙げられています。

具体的には、大阪府の夢洲(ゆめしま)に土地を保有する、山九(9065)上組(9364)杉村倉庫(9307)、和歌山県のマリーナシティでリゾートホテルなどを所有する、イントランス(3237)、長崎県でハウステンボスを所有する、エイチ・アイ・エス(9603)になります。

3.カジノの運営・機器などに関連する企業

続いて、カジノの運営や機器に関連する企業として、カジノと類似業務を手掛けるパチンコ関連企業が取り上げられています。

例えば、ユニバーサルエンターテインメント(6425)や、セガサミーホールディングス(6460)ピクセルカンパニーズ(2734)コナミホールディングス(9766)です。

他にも、以下のような企業が主に取り上げられています。

  • 日本金銭機械(6418)グローリー(6457):貨幣処理機機メーカー
  • オーイズミ(6428):パチスロ周辺機器のメダル計数機では国内最大手
  • ゲームカード・ジョイコホールディングス(6249):パチンコのプリペイドカード決済システムの最大手企業
  • インターライフホールディングス(1418):パチンコホールなどアミューズメント関連店舗の内装工事会社である、日商インターライフなどを傘下に置く持株会社
  • イチケン(1847):商業施設の建設や内・外装工事が主力の建設会社。マルハンの新規出店やリニューアル工事を安定的に受注している。

4.カジノのセキュリティ機器や警備に関連する企業

次に、カジノのセキュリティに関連する企業について見ていきます。

監視カメラシステムを提供している、サクソホールディングス(6675)池上通信機(6771)をはじめ、セキュリティ機器に関連する企業として、アイホン(6718)TOA(6809)JMACS(5817)が挙げられています。

また、顔認証や指紋認証などの生体認証に関連する企業として、NEC(6701)テラプローブ(6627)モルフォ(3653)あい ホールディングス(3076)ディー・ディー・エス(3782)も取り上げられています。

続いて、最大手のセコム(9735)や2位のALSOK(2331)といった、警備会社についても触れられています。

なお、セコムは、防災機器メーカー最大手の能美防災(6744)や航空測量最大手のパスコ(9232)を子会社に持つほか、医療、介護、損害保険事業も展開しています。

一方のALSOKは、火災報知器大手のホーチキ(6745)や消火器・消防設備大手の日本ドライケミカル(1909)の筆頭株主でもあり、機器や設備の共同開発を進めています。

5.イスラム関連企業

イスラム教は戒律が厳しく、使用が許されるものと許されないものとに峻別されていて、イスラム法で許されているものを「ハラル」、許されていないものを「ノンハラル」といいます。

「ノンハラル」の代表的なものには、豚や酒があり、そういったものが使用されていない、つまり「ハラル」であることを専門家が保証する、「ハラル認証」という制度があるのです。

本書の第4章では、ハラル認証を取得して、インドネシアやマレーシアなどに、商品や店舗を展開している企業が主に取り上げられています。

具体的には、日清食品ホールディングス(2897)キューピー(2809)日本製粉(2001)ヤクルト本社(2267)サッポロホールディングス(2501)味の素(2802)日本ハム(2282)大塚ホールディングス(4578)大正製薬ホールディングス(4581)などです。

また、壱番屋(7630)ゼンショーホールディングス(7550)吉野家ホールディングス(9861)ロイヤルホールディングス(8179)トリドールホールディングス(3397)などの外食産業や、国内スーパー首位のイオン(8267)も挙げられています。

さらには、食べ物以外にも、国内化粧品トップの資生堂(4911)、紙おむつ需要の高まっている大王製紙(3880)ユニ・チャーム(8113)、ハラル輸送体制を整える日本通運(9062)日本郵船(9101)、ユニット型礼拝堂を製造・販売する丹青社(9743)のような企業も取り上げられています。

6.総括

ここでは、カジノ関連企業やイスラム関連企業について見てきました。

カジノ関連に関しては、まだ不透明な部分も多く、投資に値する企業かどうかを見極めるのは困難なように思いました。

一方で、カジノ関連の中でもセキュリティ関連企業については、日本でも格差の増大から治安の悪化へとつながるような将来がやって来るかもしれず、検討してみる価値はありそうだと感じました。

また、イスラム関連企業に関しては、イスラム関連であることのインパクトがどれほどあるのか、また今後そのインパクトがどこまで増大していくのかが分からず、単にイスラム関連というだけでは、投資するのに抵抗があります。

ただ、ハラル認証を取得しているというのは、イスラム圏で事業を拡大していく際に、大きなアドバンテージとなることは間違いありません。

ですから、その企業が海外展開に積極的なのかどうかや、さらなる展開余地がどの程度残されているのかといったことが、投資を検討するうえで見極めるべきポイントになってくるのではないでしょうか。

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