読書録・書評

【読書録・書評】『改訂版 金持ち父さんの投資ガイド 入門編: 投資力をつける16のレッスン』

ここでは、以下の書籍についてのレビューを書いていきたいと思います。

1.書籍の概要

まずは、本書の概要からです。

本書は、タイトルに「投資ガイド」とありますが、少なくとも何か具体的な投資戦略・手法についての内容ではなく、お金に関する哲学や金持ちになるための心構えといった内容が中心となっています。

ですので、ここでは主に投資に関係してくる部分について、一部を抜粋しながらレビューしていきたいと思います。

なお、本書の章立ては、以下のようになっています。

  • 第一章:「何に投資したらいいのでしょう?」
  • 第二章:しっかりした土台を築く
  • 第三章:金持ち父さんの十六の投資家レッスン
  • 第四章:90対10の謎とは何か?

2.主な投資対象

第一章では、十分な教育や経験、ありあまるお金を持った投資家が行う投資の例として、以下のようなものが挙げられています。

  1. 私募債 
  2. 不動産シンジケート、リミテッド・パートナーシップ
  3. 新規公開前の株式
  4. 新規公開株式(IPO)(新規公開株式は全ての投資家が買えるようになっているが、通常は簡単には手に入らない)
  5. サブプライム融資
  6. 合併・買収(M&A)
  7. 創業期企業への貸付
  8. ヘッジファンド

3.機械的な投資システム

第三章では、ジェームズ・P・オショーネシーの『ウォール街で勝つ法則』という書籍の内容が紹介されています。

それによると、投資に関する決定を行う場合、大部分の投資家が直観的な方法を好むものの、たいていの場合それは間違っており、ほとんど機械的な方法に劣っていたと言うのです。

つまり、どの銘柄を選んだらいいか全く知識が無くても、直観的でなく完全に機械的な投資方法に従って投資すれば、高度の教育、訓練を受けたいわゆる専門家の大部分よりもいい成績を上げることが可能だというわけです。

また、オショーネシーは必ずしもS&P500(米国の代表的な株価指数)に投資しろと言っているわけではなく、過去46年間のデータでは、投資家に一番利益をもたらしていたのは超小型株であったと説明しています。

そして、金持ち父さんも同じような考え方をしており、自分でビジネスを立ち上げることが、世の中で一番の金持ちを作り出してきた方式だと書かれています。

4.3つの所得の種類

第三章では、所得には以下の3つの種類があるということも書かれています。

  1. 勤労所得:一般に勤労からの所得。一番よくある形は給与所得。この収入は一番多く課税される所得でもあるから、富を築くのに一番苦労する。あなたが子供に向かって「いい仕事に就け」と言うとき、あなたは勤労所得のために働けと子供にアドバイスしていることになる。
  2. ポートフォリオ所得:一般に株式、債券、投資信託など「紙の」資産からの所得。ポートフォリオ所得は投資による所得の形として、ほかを大きく引き離して一番人気がある。その理由は簡単だ。紙の資産はほかのどんな資産よりも管理がはるかに楽だからだ。
  3. 不労所得:一般に不動産からの所得。特許権使用料やライセンス契約料なども含まれるが、不労所得が十あればそのうち八までは不動産からのものだ。不動産に適用できる税制上の優遇策は多い。

これらを踏まえた上で、「投資をする理由はただ一つ、勤労所得を不労所得やポートフォリオ所得に変える資産を獲得すること」で、これこそが真の投資家の一番の目標だと言っています。

また、そのためには、損益計算書や貸借対照表といった財務諸表に関する実務的で正しい知識を身につけることは必要最低限の条件だということで、次のように書かれています。

「一番いい投資のチャンスを見つけられるのは、会計や税法、ビジネス法、会社法をよく知っている人間だ。真の投資家たちが一番割のいい投資を求めて買い物をするのは、これらの目に見えない世界においてだ。だから、私は損益計算書と貸借対照表を魔法の絨毯と呼ぶのだ。」

5.総括

第三章では最後に、著者の結論として、「本当のお金を作る最良の方法は、未公開の会社に私募段階で投資をすることだ」と述べられています。

また、第四章では、もし大金持ちの投資家になりたいのであれば、「アイディアを活かしてそれを資産に変える」ことや、「他人の資産を買うのではなく自分の資産を作り出す」ことが必要だと書かれています。

そして、その方法については、本書の続編となる『金持ち父さんの投資ガイド 上級編』で詳述されているとのことです。

ただ、本書(『金持ち父さんの投資ガイド 入門編』)の内容に関しては、前回、前々回とレビューしてきた、『金持ち父さん 貧乏父さん』や『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』と重複する部分が多いと言えます。

ですから、これら3冊のうち、どれか1冊だけでも読めば十分だろうというのが率直な感想です。

なお、以下の記事では、本書の続編である『金持ち父さんの投資ガイド 上級編』についてレビューしていますので、よろしければご参照ください。

 

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