読書録・書評

【読書録・書評】『昇格期待の優待バリュー株で1億稼ぐ!』

ここでは、以下の書籍についてのレビューを書いていきたいと思います。

1.書籍の概要

まずは、本書の概要からです。

  • お役立ち度:
  • 難易度:
  • マニアック度:
  • 分類:株式投資、優待株、バリュー株、昇格株

本書では、「優待株投資」の視点を土台として、それに「バリュー株投資」と「昇格株投資」の視点を合わせることで、株価が大きく上昇する可能性が高い株を見出すといった手法について書かれています。

なお、本書の章立ては、以下のようになっています。

  • 第1章:「優待株投資」の扉を叩いて投資家のステージに登る!
  • 第2章:「バリュー株投資」の視点も身につける
  • 第3章:優待株×バリュー株 「優待バリュー株投資」に進化する
  • 第4章:「昇格株投資」の視点をプラスして、さらに上のステージへ!
  • 第5章:勝ち続ける投資家になる!心とアンテナの磨き方

ここでは、本書の中で気になった部分や参考になった部分について、一部を抜粋しながらレビューしていきたいと思います。

2.優待株投資のメリット

第1章は、主に優待株投資のメリットについての内容となっています。

具体的にはまず、優待制度を設けている企業では、その優待が認知されればされるほどに株価が上がる傾向があるといったことです。

また、優待の入手を狙って値下がりするのを待っている人たちも多くいるため、悪いニュースがあっても一定以下には株価が下がりにくい傾向があるということです。

つまり、優待株は上がりやすく、下がりにくいということなのです。

ただし、優待改悪や廃止のリスクは常にあり、財務状況が悪い企業や、自社商品ではない金券等を優待にしている場合などには注意が必要などといったことも書かれています。

3.財務諸表の注目ポイント

第2章は、「バリュー株投資の視点も身につける」ということで、財務諸表の見方についての内容となっています。

具体的には、PERやPBRの説明から始まり、その背景にあるものをさらに詳しく見ていくといった内容です。

例えば、表面上はPBRの数値が同じであっても、資産に占める「換金性資産」の割合が大きいかどうかが大事になってくるといったことになります。

換金性資産」とは、現預金や有価証券、賃貸不動産など、現金が必要となったときに短期間のうちに換金できる資産のことです。

それに対して、「商品」や「売掛金」、「棚卸資産」など資産は、評価損が発生しやすかったり、最悪の場合には粉飾決算にも使われたりしやすい勘定科目であり、注意が必要ということです。

また、「売上高」、「営業利益率」、「経常利益率」、「純利益」それぞれの数値に関して、「通常の景色」を知っていれば異常値が見抜けるといったことも書かれています。

それは例えば優待株に多い小売・外食企業においては、営業利益率や経常利益率は、概ね売上高の5~10%程度であり、純利益は経常利益率の60%程度になることが一般的だということです。

この「通常の景色」が頭に入っていれば、異常値に気づくことができ、損益計算書に当たることで、その原因を見抜くことができるのです。

4.優待価値の分析

第3章は、前章のバリュー株投資における収益面や資産面からの分析に加えて、「優待面」からの分析を行うための内容となっています。

ここでは、実質価値に基づく優待利回りは、いくらでその株を売るかの判断に使うこともできるとのことで、次のように書かれています。

中小型株の場合、私の経験的には実質優待利回りが3~5%に低下するまでは、株価が上昇する傾向があります。

なお、実質優待利回りに関しては、ネットオークションでの平均落札価格を参考にします。

そして、優待価値の視点を持つことで、より大きな利益を、逃さず確保できる可能性が高まると書かれています。

また、お得な優待制度が新設されるなどしても、一般の投資家にそれが知れ渡るまでには、少し時間がかかることが多いとのことです。

そのため、優待の新設や拡充の情報に敏感になっていれば、値上がりに先回りできる時間は十分にあるといったことも書かれています。

5.東証1部昇格の条件

第4章では、「昇格株投資」つまり、「東証1部昇格へ先回りする」という視点を加えることに関しての内容となっています。

そこでまずは、東証1部昇格のための条件を把握する必要があります。

具体的には、特に「株主数2200人以上」と「時価総額40億円以上」というふたつの要件が重要だと書かれています。

これらの要件をクリアするために、東証2部やJASDAQなどに上場している企業が、優待制度の新設や拡充株式分割立会外分売株式売り出しなどの施策を行った場合には、昇格への有力なサインとなるのです。

また、地方市場(名古屋、札幌、福岡の各証券取引所)から東証2部に移ってきた企業における「1年ルール」についても触れられています。

そして、マザーズ独自の制度である「10年ルール」から、マザーズから東証2部への移籍に関しては注意が必要といったことも書かれています。

さらに、上記の2つの要件以外にも流通株式に関する昇格要件から、株式分割などの可能性を読むことができるといった、上級者向けの内容もありました。

6.必須の情報収集源

第5章は、主に著者の具体的な情報収集法についての内容となっています。

本章では、主な情報収集源として、東証の適時開示情報閲覧サービスが挙げられ、最低でも1日に1回、夜にでも役に立つ情報がないかチェックするようにしましょう、と書かれています。

また、ヤフーファイナンスの掲示板や、個人投資家による各種の投資ブログ、個人投資家のパフォーマンスランキングのサイトなども挙げられています。

そして、各企業が設置しているIR窓口を積極的に活用することも重要です。

7.総括

本書では、「優待株投資」や「バリュー株投資」、「昇格株投資」の視点を合わせることで、株価が大きく上昇する可能性が高い株を見出すといった手法について書かれています。

これらの視点を組み合わせることで、多少の値上がりで株を売却してしまわずに、株価が大きく上昇するまで保有し続けることができるというのは、大きなメリットであると感じました。

そして、この手法を実践するうえでの、優待株についての考え方や、昇格株投資の視点というのは、とても参考になりました。

本書は、多くの投資家に、何かしらの新しい視点を提供してくれるような一冊だといえるのではないでしょうか。

 

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