相場のデータ・指標

「日経平均株価」のデータ分析(H30.10)(PER・PBR、海外投資家売買動向、日銀ETF買い入れ、ドル建て日経平均、NT倍率、バフェット指数、騰落レシオ、信用評価損益率)

ここでは、10月11日(木)に約915円(4%弱)もの調整を見せた、直近の「日経平均株価」について、PER・PBR、海外投資家売買動向、日銀ETF買い入れ、ドル建て日経平均、NT倍率、バフェット指数、騰落レシオ、信用評価損益率といった観点から見ていきたいと思います。

なお、各指標に関しては、以下の記事でそれぞれ詳しく解説していますので、よろしければご参照ください。

1.PER・PBR

まず、日経平均株価に採用されている企業の平均PER(株価収益率)についてです。

この平均PERと日経平均株価の値から、平均EPS(一株当たり当期純利益)を求め、その平均EPSに13~17の数値を掛け合わせて、PER 13~17倍に相当する株価の推移を日経平均株価とともに表したのが以下の図になります。

日経平均株価とPER13~17倍相当株価の推移を示した図(H30.10)

なお、10月12日大引けの時点で、PER13倍に相当する株価は、22608円となっています。

次に、平均PBR(株価純資産倍率)についてです。

PERと同様に、平均PBRと日経平均株価から平均BPS(一株当たり純資産)を求め、そこから導き出したPBR 1~1.5倍に相当する株価の推移を日経平均株価とともに示したのが以下の図になります。

日経平均株価とPBR1~1.5倍相当株価の推移を示した図(H30.10)

なお、10月12日大引けの時点で、PBR 1.2倍に相当する株価は22507円、PBR 1.1倍に相当する株価は20632円となっています。

2.海外投資家の売買動向・日銀のETF買い入れ

次に、投資部門別売買状況(投資主体別売買動向)から、海外投資家の売買動向について見ていきます。

海外投資家の売買代金の差引き金額を累計したものの推移を、日経平均株価とともに示したのが以下の図です。

海外投資家の売買動向と日経平均株価の推移を示した図(H30.10)

この図から、2018年に入ってから海外投資家は売り越し傾向にあることが分かります。

ただ、日経平均株価は直近で調整があったものの、いまだ高値圏を維持しています。

そこで、日銀のETF買い入れについても見ていきます。

ここでは、「設備投資・人材投資に積極的に取り組んでいる企業」の株式を対象としたETFを含む、日銀の買い入れている全てのETFの累計額を見ていきます。

この日銀によるETF買い入れ累計額と日経平均株価の推移を示したのが以下の図です。

日銀ETF買い入れ累計額と日経平均株価の推移を示した図(H30.10)

さらに、日銀のETF買い入れ累計額と海外投資家の累計売買金額とを合計したものの推移を、日経平均株価とともに示したのが以下の図になります。

日銀ETF買い入れ累計額と海外投資家の累計売買金額との合計と日経平均株価の推移を示した図(H30.10)

この図から明らかなように、両者を合計したものは、日経平均株価と非常に強い相関を認めており、海外投資家の売買動向および、日銀の金融政策には注意を払っておく必要があるといえるでしょう。

3.ドル建て日経平均株価

では、海外投資家から見た日経平均株価である、ドル建て日経平均株価について見ていきます。

ドル建て日経平均株価を日経平均株価とともに示したのが以下の図です。

ドル建て日経平均株価の推移を示した図(H30.10)

この図からは、ドル建て日経平均株価が、バブル期を除くと高値圏にあることが分かります(赤い点線で示した200ドル前後の水準)。

海外投資家の売買には、割と順張り(トレンドフォロー)の傾向が認められるため、この200ドルの水準をはっきりと上回ってくると、それによる追随買いが生じて、さらに上昇していくというシナリオも考えられます。

4.NT倍率

また海外投資家は、一般に日経平均先物を売買することが多いため、NT倍率(=日経平均株価/TOPIX)についても見ていきます。

NT倍率と日経平均株価の推移を示したのが以下の図です。

NT倍率と日経平均株価の推移を示した図(H30.10)

この図から、NT倍率はおよそ9~14の間で推移しており、その上限となる14に近づきつつあることが分かります。

日経平均株価は、NT倍率を中心としてその上下を行き来しているようにも見え、NT倍率が上限に近づきつつあるということは、上昇傾向を見せている日経平均株価が反転して下落していくことにも注意が必要かもしれません。

5.バフェット指数

続いて、バフェット指数を見てみます。

バフェット指数=株式時価総額/名目GDP×100

バフェット指数は上記の式で求められますが、日本株では株式時価総額に「東証1部の株式時価総額」が一般に用いられますので、ここでもそのデータを使用しています。

そして、バフェット指数の推移を日経平均株価とともに示したのが以下の図です。

バフェット指数と日経平均株価(H30.10)

バフェット指数では、100を超えてくると相場が過熱圏にあるとされますが、現在は100を大きく超えている状態であることが見て取れます。

6.騰落レシオ

さらに、25日騰落レシオについても見ていきます。

騰落レシオの推移を日経平均株価とともに示したのが以下の図になります。

騰落レシオと日経平均株価の推移を示した図(H30.10)

騰落レシオは「だまし」の多い指標でもあるため、これだけでは何ともいえないところですが、直近の日経平均株価について言えば、まだまだ下げ余地があるようにも見えます。

7.信用評価損益率

最後に、信用評価損益率についてです。

以下の図は、信用評価損益率(2市場(東証と名証))と日経平均株価の推移を示したものです。

信用評価損益率と日経平均株価の推移を示した図(H30.10)

また、2013年1月以降で、2市場の信用評価損益率とともに、松井証券が公表している信用評価損益率を、日経平均株価と併せて示したのが以下の図です。

2市場・松井証券の信用評価損益率と日経平均株価の推移を示した図(H30.10)

一般に、信用評価損益率では、「-3~0%以上で天井圏」、「-15~-20%以下で底値圏」という見方がされます。

そして、松井証券の信用評価損益率を見る限りでは、日経平均株価が目先の底値圏に近づきつつあると言えそうです。

8.総括

PERからは、日経平均株価は目先の底値圏にあると言えそうです。

また、日銀のETF買い入れと海外投資家の売買動向とを合わせたものとの連動性が高く、日銀の金融政策や海外投資家の動向には注意を払っておく必要があります。

日銀の金融政策については、しばらく大きな変更はないでしょう。

海外投資家については、ドル建て日経平均がバブル後の上値抵抗線の水準にあることから、これを明らかに上抜いてくるようだと、さらなる上昇を見せることも考えられます。

他には、バフェット指数では相変わらず高値圏を示唆していますが、騰落レシオや信用評価損益率では、目先の底値に近づきつつあるように見えます。

そして、世界的には比較的割安な日本株にとっても、米中の貿易戦争や、英国のEU離脱問題、FRBの利上げによる新興国からの資金流出など、世界的なリスク要因は少なくありません。

中でも目先では、今月10月末に引き下げが検討されている、イタリア国債の格下げが大きな懸念となりそうです。

さらに、来月11月6日には米中間選挙も控えており、少なくともそれまでは方向感に乏しい展開となることが予想されるのではないでしょうか。

 

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