相場のデータ・指標

【2022年9月】「日経平均株価」のデータ分析(PER・PBR、海外投資家売買動向、日銀ETF買い入れ、ドル建て日経平均、信用評価損益率、騰落レシオ)

ここでは、直近の「日経平均株価」について、PER・PBR、海外投資家売買動向、日銀ETF買い入れ、NT倍率、信用評価損益率、騰落レシオといった観点から見ていきたいと思います。

なお、各指標に関しては、以下の記事でそれぞれ詳しく解説していますので、よろしければご参照ください。

1.PER・PBR

まず、日経平均株価に採用されている企業の平均PER(株価収益率)についてです。

この平均PERと日経平均株価の値から、平均EPS(一株当たり当期純利益)を求め、その平均EPSに13~17の数値を掛け合わせて、PER 13~17倍に相当する株価の推移を日経平均株価とともに表したのが以下の図になります。

22年6月までの日経平均株価とPER13~17倍相当株価の推移を示した図

なお、この図の2020年5月以降では、新型コロナウイルスの影響により、業績予想の開示を見送る企業が相次いだため、日経の予想が作成されるまでの間、利益をゼロとして平均PERが算出されていました。

そして直近では、日経平均株価は概ねPER 12倍台半ばでの推移となっています。

次に、平均PBR(株価純資産倍率)についてです。

PERと同様に、平均PBRと日経平均株価から平均BPS(一株当たり純資産)を求め、そこから導き出したPBR 1~1.5倍に相当する株価の推移を日経平均株価とともに示したのが以下の図になります。

22年9月までの日経平均株価とPBR1~1.5倍相当株価の推移を示した図

平均PBRは9月22日大引けの時点で、1.13倍となっています。

なお、9月22日大引けの時点で、平均PBR 1.1倍相当が26433円、平均PBR 1.2倍相当が28836円となっています。

2.海外投資家の売買動向・日銀のETF買い入れ

次に、投資部門別売買状況(投資主体別売買動向)から、海外投資家の売買動向について見ていきます。

海外投資家の売買代金の差引き金額を累計したものの推移を、日経平均株価とともに示したのが以下の図です。

22年9月までの海外投資家の売買動向と日経平均株価の推移を示した図

この図から、ここ最近では海外投資家の売買動向が、売り越し傾向となっていることが見て取れます。

また、日銀のETF買い入れについても見ていきます。

ここでは、「設備投資・人材投資に積極的に取り組んでいる企業」の株式を対象としたETFを含む、日銀の買い入れている全てのETFの累計額を見ていきます。

この日銀によるETF買い入れ累計額と日経平均株価の推移を示したのが以下の図です。

22年9月までの日銀ETF買い入れ累計額と日経平均株価の推移を示した図

この図から、日銀のETF買い入れは、2021年4月より、大きくペースダウンしていることが分かります。

さらに、日銀のETF買い入れ累計額と海外投資家の累計売買金額とを合計したものの推移を、日経平均株価とともに示したのが以下の図になります。

22年9月までの日銀ETF買い入れ累計額と海外投資家の累計売買金額との合計と日経平均株価の推移を示した図

この図から分かるように、両者を合計したものは、日経平均株価と非常に強い相関を認めています。

ちなみに、海外投資家から見た日経平均株価である、ドル建て日経平均株価は次のようになっています。

22年9月までのドル建て日経平均株価の推移を示した図

ドル建て日経平均株価では、長らく上値抵抗線となっていた225ドルを大きく下回り、直近では200ドルをも下回っての推移となっています。

3.信用評価損益率

続いて、信用評価損益率を見ていきます。

以下の図は、信用評価損益率(2市場(東証と名証))と日経平均株価の推移を示したものです。

22年9月までの信用評価損益率と日経平均株価の推移を示した図

一般に、信用評価損益率では、「-3~0%以上で天井圏」、「-15~-20%以下で底値圏」という見方がされます。

信用評価損益率は、3月11日に底値圏の目安となる-15.66%となり、直近の9月16日時点では、-10.56%となっています。

4.騰落レシオ

最後に、25日騰落レシオについても見ていきます。

騰落レシオの推移を日経平均株価とともに示したのが以下の図になります。

22年9月までの騰落レシオと日経平均株価の推移を示した図

騰落レシオは、9月22日時点で83.3と、やや底値圏に近い水準となっています。

5.総括

日経平均株価は、8月中旬に29000円超の高値を付けた後、直近では27000前後にまで急落しています。

この背景としては、9月初めに発表された米国の経済指標で、景気の底堅さが示されたことや、13日の米CPI(消費者物価指数)が予想を上回ったことで、FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げへの警戒感が高まったことが挙げられます。

そして、21日のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、3会合連続となる0.75%の利上げが決定され、政策金利の誘導目標は3.00~3.25%となっていました。

また、同時に公表された政策金利見通しも、22年末に4.4%、23年末に4.6%と、前回6月の見通しから大きく引き上げられました。

なお、日銀は22日の金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策の維持を決定していました。

今後についてですが、FRBはインフレ抑制のためには景気後退も辞さない構えを示しており、ある程度のインフレ沈静化が見られない限りは利上げの停止も見込めず、そうなると景気後退懸念が常に付きまとうことになりそうです。

ただ、日本では米国ほどの高インフレとはなっておらず、日銀も大規模な金融緩和を維持したままなので、日本株が米国株に連れ安する局面は、日本株の買い時ではないかと考えています。

円安の進行も手伝って、10月末から11月中旬にかけての決算発表シーズンで、好決算を発表する日本企業は少なくないと思われ、そうなると年末に向けて、日本株が再び高値を目指す展開というのも十分に想定されるのではないでしょうか。

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