1.2020年のIPO概要
昨年2020年には、93社がIPO(新規株式公開)しました。
また、上場初値は、公募・売り出し価格(公開価格)の平均2.3倍に達し、これは15年ぶりの高水準になります。
さらに、初値上昇率が5倍を超えたものには、以下の9社がありました。
- ヘッドウォータース(4011) :AIシステム開発
- フィーチャ(4052) :画像認識ソフトウエア開発
- タスキ(2987) :投資用不動産の開発・販売
- Branding Engineer(7352) :IT人材派遣
- ニューラルポケット(4056) :AIを使った画像解析
- アクシス(4012) :金融機関向けシステム開発
- インターファクトリー(4057):ECシステム運営
- アースインフィニティ(7692):新電力
- MITホールディングス (4016):情報システム開発
2.初値上昇率5倍超銘柄の推移
ここでは、上記9銘柄の本日までの推移を見ていきたいと思います。
ヘッドウォータース(4011)
フィーチャ(4052)
タスキ(2987)
Branding Engineer(7352)
ニューラルポケット(4056)
アクシス(4012)
インターファクトリー(4057)
アースインフィニティ(7692)
MITホールディングス (4016)
3.IPO直後の銘柄は避けよう
すると、全ての銘柄が上場初日の終値を下回っていることが見て取れます。
また、上場後から株価が上昇していく銘柄もいくつかありますが、その期間は長くても1週間ほどで、その後は下落トレンドとなっていることも分かります。
IPOでは、抽選に当選して、上場日に初値で売れば、大きな利益を得られる可能性があります。
その一方で、上場後すぐに購入した場合には、報われないことがほとんどであり、IPO株の多くは、ここで示したような経過をたどります。
にもかかわらず、IPOで初日に初値を大きく吊り上げてまで、買いに走る投資家が後を絶たないのは、株式市場が不合理であることを示す好例と言えるでしょう。
良識ある個人投資家は、IPO銘柄、少なくともIPO直後の銘柄には関わらないに越したことはないでしょう。