投資の基礎知識・理論・心理

投資信託を買ってはいけない!

前の記事(金融機関に相談してはいけない!)で、金融機関は手数料の高い商品を勧めてくると書きました。

そして、その手数料の高い商品というのは、主に投資信託のことです。

投資信託とは、投資家から集めたお金を、運用の専門家(とされる人)が株式や債券などに投資・運用する商品のことです。

「(とされる人)」と書いたのは、日本では投資信託の運用に当たるのが、真の運用のプロというわけではなく、金融機関に雇われているサラリーマンに過ぎないからです。

多くの投資信託(以下、投信)では運用者の情報は公開されておらず、投信の価格(基準価額)が下がろうが、運用不振で解散することになろうが、知らん顔といった感じなのでしょう。

アメリカのヘッジファンドなんかでは、運用者の氏名はもちろん、運用者自身がどの程度の資金をファンドに投じているのかなどが公開されているものもあります。

そういったものと比べると、日本の投信は一度売ってしまえばあとはどうなろうと知ったことではないという姿勢のように思えてしまいます。

もちろん、投信を購入した以上、いかなる結果に終わろうとも投資家の自己責任ではあるのですが…

なお、保険に関しても少し触れておくと、手数料が公開されていないものがほとんどであり、手数料も投信よりも高いため、買うにしても十分に吟味する必要があります。

実際には、買う必要のない保険がほとんどであり、これについてはまた別の機会に書いていきたいと思います。

さて、投信の話に戻りますが、金融機関は自分たちが儲かる手数料の高い投信を勧めるだけではありません。

次々と新商品を開発するなどして売り出し、数年おきに顧客に投信を乗り換えさせることで、手数料を稼いでいるのです。

当然、売れ筋の投信ランキングを見ても、上位には手数料の高いものが並ぶことになります。

ですから、投信の中でも特に金融機関が勧めてくるようなものは買ってはいけません。

さらに、彼らはそういった手数料の高い投信を売るためには手段を選びません。

これについては、「不利」なのに「人気」 毎月分配型の投資信託のところでより詳しく書いています。

 

金融機関に相談してはいけない!前のページ

投資の利益は不労所得か?次のページ

関連記事

  1. 投資の基礎知識・理論・心理

    アクティブ・ファンド vs. パッシブ・ファンド

    この記事では、アクティブ・ファンドの実態や、ファンドを購入した投資家の…

  2. 投資の基礎知識・理論・心理

    著名投資家の予言やポジショントークには注意!

    この記事では、著名投資家の発言や証券会社のポジショントークがいかに当て…

  3. 投資の基礎知識・理論・心理

    アノマリーのまとめ

    この記事では、はっきりとした理論的根拠はないものの、経験的に起こること…

  4. 投資の基礎知識・理論・心理

    警戒域に入りつつある「ハイイールド債」

    この記事では、ハイイールド債の利回りや、長期金利とのスプレッドの推移な…

  5. 投資の基礎知識・理論・心理

    ラップファンドは避けるべき!

    この記事では、TV-CMも流されたりして、預かり資産残高を着実に伸ばし…

  6. 投資の基礎知識・理論・心理

    投資だけでない! 日常にもよく見られるプロスペクト理論

    この記事では、行動ファイナンスの中でも最も代表的な理論であるプロスペク…

電子書籍(3冊全て、Amazonランキング1位獲得)

「マーケットの魔術師」ならぬ「マーケットの詐欺師」

精神科医が暴く金融業界の裏側

 

勝者の心構え

精神科医が看破する投資の本質

 

 

 

この心理的罠からあなたは逃れられるか

精神科医が洞察する投資家心理

 

  1. 読書録・書評

    【読書録・書評】『早稲田とか東大の投資サークルが書いた「無敗の株本」』
  2. 相場のデータ・指標

    【2022年12月】「WTI原油」のデータ分析(CFTC建玉明細(投機筋)、ブレ…
  3. 相場のデータ・指標

    【2022年6月末時点】レイ・ダリオ氏率いるブリッジウォーター・アソシエイツの最…
  4. 相場のデータ・指標

    「ドル建て」や「東証1部時価総額」から見た日経平均株価
  5. 相場のデータ・指標

    プット・コール・レシオのすべて
PAGE TOP