1.本書の概要
ここでは、以下の書籍についてのレビューを書いていきたいと思います。
- これはずるい! 株カンニング投資術 株で2億円儲けたカリスマサラリーマンの裏ワザ
- 著者:JACK
- 出版日:2018/12/13
- お役立ち度 :
- 難易度 :
- マニアック度:
- 分類:株式投資、個別株、投資戦略
まずは、本書の概要からです。
本書は、情報発信している個人投資家のツイッターやブログ、メルマガを、銘柄選びの参考にしようという内容です。
なお、本書の章立ては、以下のようになっています。
- PART1 カンニング編:自分で勉強するより、勝ち組投資家に乗れ!
- ツイッター&ブログ編
- メルマガ編
- PART2 ずるいワザ編:知っている人だけがトクする ”八百長” の世界が株にはある!
- PART3 小銭稼ぎ編:株の世界はチリだらけ。拾って集めれば大金になる!
2.ツイッターの活用法
まずは、ツイッターの活用法として、銘柄名を検索したり、【優待新設】や【「優待」+「拡充」】、【高配当株】、【仕手株】などのキーワードで検索したりといったことが書かれています。
また、実際に参考になるツイッターも紹介されており、それは例えば以下のような方たちになります。
- www9945さん:海外株、高配当
- avexfreakさん:四季報投資、イベント投資
- DAIBOUCHOさん:株式個別銘柄
3.お勧めの有料メルマガ
そして、有料メルマガについては、以下の3つについて詳しく説明されています。
- 選抜株式レース~全日本株式投資選手権~:スゴ腕の個人投資家数十人が、毎週「自信の1銘柄」を挙げる。「銘柄カブり」や「しっかりした材料」は、儲かる可能性大!
- avexfreakのシークレットトーク:『会社四季報』の先取り情報から、ズバリ買うべき銘柄を教えてくれる! 発売前の四季報銘柄を、独自の観点でスクリーニングして絞り込み。
- 石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」:1つの銘柄を徹底的に研究して紹介+補足で数銘柄をヒント的に紹介。インカム重視の手堅い銘柄&中長期でも持てる銘柄を買いたい人向き!
4.「一般信用売り」を利用した「クロス取引」
本書のPART2では、株主優待をタダ取りする「クロス取引」について触れられています。
「クロス取引」というのは、現物の買いと信用の売りを組み合わせる手法のことです。
このクロス取引を行う際に、「制度信用売り」を利用すると、優待金額をはるかに超える「逆日歩」が付いてしまうことがあると言うのです。
「逆日歩」は、制度信用の売りが増えすぎたときにだけ発生する、イレギュラーな株のレンタル料金のようなものです。
一方、「一般信用売り」であれば、逆日歩が存在せず、逆日歩で損をするリスクがないということです。
ただ、「一般信用売り」のクロス取引にも注意すべき点があり、それは直前になると売りの在庫がなくなってしまうという点です。
そのため、貸株料を多めに払うことにはなっても、早めに信用売りをしておくのも一つの手だと書かれています。
5.端株優待・株主アンケート・裏優待
PART3では、「端株(はかぶ)」を使うワザなどについて触れられています。
「端株」というのは単元未満株のことで、長期保有優遇制度のある株主優待を利用する際に、「端株」を保有しているだけで、継続保有の条件を満たすことができるものがあると言うのです。
この端株を買える証券会社は限られてますが、手数料の安いマネックス証券がおすすめと書かれています。
また、株主通信の中には、回答すると抽選でクオカードや図書カードがもらえるアンケートが入っていることがあるとのことです。
他にも、議決権行使でクオカードなどの謝礼がもらえる、「裏優待(隠れ優待)」なるものについても説明されています。
そして、これらのことに関して、著者が参考にしているブログとして、以下の3つが挙げられています。
- FP社労士と株主優待
- 端株優待 隠れ優待でささやかな喜び
- かんちの優待株バリュー株日誌
6.総括
本書は、株式投資の王道・本筋といった内容とは一線を画すものであり、いわゆる「億り人」のような個人投資家のやり方にそのまま乗っかってしまおうという内容です。
もちろん、これだけで全てが上手くいくわけではないでしょうが、一方で、独学では何年経っても得られないような視点や手法を学ぶことができるのも事実です。
あとは、実際に試行錯誤していく中で、自分なりの手法を次第に確立していくことができるのではないでしょうか。
もしかしたら、著者のJACK氏もそうやって、自身の手法を確立させていったのかもしれません。
本書では、端株や裏優待などのかなりマニアックな内容についても書かれており、ベテランの投資家にとっても参考になるような内容ではないかと思われます。