読書録・書評

【読書録・書評】『これからの低位株投資』

ここでは、以下の書籍についてのレビューを書いていきたいと思います。

1.書籍の概要

まずは、本書の概要からです。

  • お役立ち度:
  • 難易度:
  • マニアック度:
  • 分類:株式投資、低位株

本書は、林輝太郎氏を師と仰ぐ、旭洋子氏による著書になります。

以下の記事で前回にレビューした、旭氏の処女作はバブルの真っ只中に書かれたものであるのに対し、本書はバブル崩壊後に書かれたものになります。内容はともに低位株投資に関してです。

なお、本書の章立ては、以下のようになっています。

  • 第1章:株式投資で成功する要点
  • 第2章:罫線の型
  • 第3章:下げ相場では空売りが有利
  • 第4章:再び買い場がやってくる

ここでは、本書の中で気になった部分や参考になった部分について、一部を抜粋しながらレビューしていきたいと思います。

2.株式投資の要点

第1章では、株式投資を行う上での準備や心構えなどについて書かれています。

それは例えば、罫線、場帖、データ・スリップをしっかりと準備することの大切さであったり、余裕資金は常に2割以上持っておくなどといったことです。

また、株数を多く購入する場合には、①分割で買う、②最初は千株しか買わない(試し玉)、③下値ほど厚く買う、という三項目が大切であるということも書かれています。

3.罫線の型

第2章は、罫線の型についての内容となっています。

具体的には、まず「底練り、底型」としては、以下の6つの型が挙げられています。

  • V字型
  • W字型
  • M字型
  • U字型
  • 鍋底型
  • 横這型

続いて、「上げ波動」について書かれており、昔から三段上げは天井と言われるように、「上げ波動」も次の3つに分けて、それぞれ簡単に説明がなされています。

  1. 青年期相場における波動
  2. 壮年期相場における波動
  3. 老年期相場における波動

また、代表的な「天井」の型としては、以下の6つが挙げられています。

  • 三尊型
  • 毛抜き型
  • 軍艦型
  • 帆舟型
  • 剣が峰型
  • ヒゲ天井型

そして、株式投資で損をしないで確実に利益を得るためには、次の2つが大事だと言っています。

  1. 底型形成を確認する(これ以上下げる心配がないから損のしようがない)
  2. 主に一段上げの時のみ(幼年期相場から青年期相場の初めにかけて)波乗りをして利益を上げる。それ以上はせいぜい二段上げ(青年期相場の終盤から壮年期相場の初めにかけて)までで、間違っても三段上げ(壮年期相場の最も過熱した終盤)には手を出さず、早々に区切りをつけて降りる(休むも相場)

このうち後者に関しては、天井を形成する期間というのは非常に短期間であり、天井では値動きも荒いものとなるため、非常にやりにくく、したがって三段上げは狙わないということも書かれています。

4.空売り

第3章は、空売りについての内容です。

本章では、手持ち株を持ったまま行われる空売りである「ツナギ売り」や、空売りの注意点などについて簡単に書かれています。

また、空売りに向かない銘柄、空売りに適した銘柄についても、それぞれ以下のように言及されています。

空売りに向かない銘柄

  1. 非常な業績好転が見込まれる銘柄
  2. M&A・買い占め・特殊事情のある(例えば合併など)銘柄
  3. 資本金の小さい銘柄:小型株は、不動株数が少ないためにすぐ逆日歩がつきます。それに値動きが荒いため、やりにくいものです。

空売りに適した銘柄

  1. 業績が頭打ちになりそうな銘柄
  2. 特殊な材料の無い銘柄:たとえば、増資があるとか、配当性向が良くなったなど、株価に対して有利となる材料のある銘柄は避けます。
  3. 資本金の大きい銘柄:発行株数が大量ですから値動きも荒くないので、やりやすさがあります。

5.銘柄選択の条件

第4章では、どのように銘柄を選択していくのかについて書かれています。

具体的には、まず以下のような条件を満たす銘柄をそれぞれピックアップしていきます。

  • 経常利益予想が30%を超える好業績である銘柄
  • 赤字から黒字に転換予想と記されている銘柄
  • 現在の株価が、企業の存在価値を示す一株純資産を割り込んでいる銘柄

そして、これらの銘柄の中から、罫線上で底型を確認し、底入れして上昇に転じていくようなタイミングを探るというわけです。

6.総括

バリュー投資(割安株投資)を行っていると、買うのが早過ぎて、分割買い(ナンピン買い)をする回数が増えてしまったりということがしばしばあるかと思います。

ですが、本書で書かれているように、しっかりと底練り、底型を確認してからの買い出動であれば、そういったことはかなり減らせるでしょう。

また、本書では簡単に言及されるにとどまりますが、手持ち株を持ったまま信用売りを行う「ツナギ売り」についても書かれているなど、一冊目の著書からは一歩進んだ内容となっています。

そして本書に関しても、林輝太郎氏の書籍と比較して言うと、しっかりと基礎について書かれた、どちらかというと初心者向けの内容であると言えます。

 

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