読書録・書評

【自著紹介】『資産運用エッセンシャルズ 攻防自在の投資戦略』

今回は、大変恐縮ですが、2018年8月31日に出版するに至った自著を取り上げさせていただきます。

1.書籍の概要

まずは、本書の概要からです。

本書では、投資家心理や金融機関のワナ、各種の金融商品や投資手段について、私なりの見解を書いており、またインデックス投資(パッシブ投資)をベースとして、それにアレンジを加えた投資戦略についても書いています。

なお、本書の章立ては、以下のようになっています。

  • 序章:投資を始める前に
  • 第1章:資産運用の失敗を招く投資家心理の落とし穴
  • 第2章:心のスキを突いて勧誘してくる”金融機関のワナ”
  • 第3章:大衆心理が破産を招く”人気投資手段に潜むワナ”
  • 第4章:資産を守りながら増やす「投資戦略の考え方」
  • 第5章:資産を守りながら増やす「投資戦略の実践」

ここでは、簡単にではありますが、もう少し具体的に本書の内容について触れていきたいと思います。

2.はじめに

本書の内容に入っていく前に、まずは本書とも関係することについて書いていきます。

私は以下のように、これまでに3冊の電子書籍を出版していたのですが、今回初めて紙の書籍を出版させていただきました。

ちなみに、上に挙げた電子書籍は全て、紙の書籍でいうと1章~2章分くらいのボリュームとなっていますので、割と短時間で読み終えることができるかと思います。

そして、今回の紙の書籍を執筆するに当たって苦労したのは、本書の前半部分において、これらの電子書籍と出来るだけ内容が重なってしまわないように心掛けることでした。

電子書籍を読んで下さった方が、もし仮に本書を読まれた際に、内容の重複する部分が多くては申し訳ないと思ったためです(そのような方は極めて奇特な存在であると承知してはおりますが…)。

3.投資家心理・金融機関のワナ

そのなるべく内容が重複しないようにと心掛けたのが、本書の第1章・第2章になります。

第1章では「投資家心理」について書いており、一部『この心理的罠からあなたは逃れられるか』と重なる部分もあるのですが、次のように切り口を変えて書いています。

第1章 資産運用の失敗を招く投資家心理の落とし穴

  • 投資行動に大きく関係してくる「行動経済学」
  • 銘柄の「選択・購入段階」における心理的罠
  • 銘柄の「保有時」における心理的罠
  • 銘柄の「売却時」における心理的罠
  • 銘柄の「非保有時」における心理的罠
  • 心理的罠からは逃れられない

つまり、電子書籍では各種の心理的バイアスについて個別に説明していたのですが、本書では個別株投資を例にとって、その流れの中でどのような心理的バイアスが認められるかを俯瞰的に書いていったということです。

次に第2章では「金融機関のワナ」について書いていますが、本章に関してはどうしても『「マーケットの魔術師」ならぬ「マーケットの詐欺師」』で書いた内容と重なってしまう部分が多くなってしまいました。

ただ、この電子書籍をお読み下さった方でも、本章後半の「ヘッジファンド」や「保険」に関する部分は是非お読みいただければと思います。

第2章 心のスキを突いて勧誘してくる”金融機関のワナ”

  • 合法的な詐欺集団とも言える金融機関
  • 金融庁も批判する「毎月分配型」投信
  • アクティブ・ファンドは看板倒れのゴミ商品
  • 投資信託の高い手数料
  • 「ラップファンド」は羊の皮をかぶったオオカミ
  • ヘッジファンドという名の神話
  • 「保険」は不要なものだらけ

4.各種投資手段の是非

第3章では、以下に示すように、仮想通貨やシェアハウス、不動産投資、FX、ロボ・アドバイザー、iDeCo、NISAなどについて、私の個人的な偏見を多分に交えながら書いています。

第3章 大衆心理が破産を招く”人気の投資手段に潜むワナ”

  • 人気の投資手段に潜むワナ
  • 仮想通貨は詐欺の温床
  • 社会問題化したシェアハウス投資
  • 不動産投資は超富裕層がやるもの
  • 高利回りも成長に乏しい「REIT(不動産投資信託)」
  • 地雷が潜む「コイン投資」「ワイン投資」
  • まだまだ未開の「ソーシャルレンディング」
  • 厳しいサバイバル競争の「FX」
  • 「iDeCo」のご利用は控えめに
  • 「NISA」は検討の価値あり
  • 「ロボ・アドバイザー」ならぬ「ボロ・アドバイザー」
  • 詐欺事件の共通点と事業出資の罠

5.アレンジを加えた「インデックス投資」

第4章・第5章では、具体的な投資戦略として、アレンジを加えた「インデックス投資」についての内容となっています。

ここでは、株式や債券はもちろん、金や農産物といった商品、プライベート・エクイティ(PE)といったオルタナティブ投資についても書いています。

第4章 資産を守りながら増やす「投資戦略の考え方」

  • 「アレンジを加えた」インデックス投資のすすめ
  • 株式投資の全体像
  • 分散投資 vs. 集中投資
  • 分散投資の優位性を得るための必須条件
  • 脚光を浴びる「エンダウメント投資戦略」とは?
  • オルタナティブ投資:「金融資産」と「実物資産」
  • プライベート・エクイティ(PE)ファンドの実際
  • 商品(コモディティ):先物取引とETF
  • 金投資:積極的な投資を勧める人もいるが‥
  • ポートフォリオの「現金比率」をとにかく高める!
  • ミーン・リバージョンと商品ETF

第5章 資産を守りながら増やす「投資戦略の実践」

  • 国内外のおススメ「ETF」15選
  • マクロ的要因から見た「債券ETF」
  • 資産配分(アセット・アロケーション)の考え方
  • 海外ETFの取引方法と取引する際のポイント
  • 資金別ポートフォリオの具体例
  • 各資産クラスの期待リターン
  • ポートフォリオの期待リターン
  • 投資タイミングをめぐる議論
  • ポートフォリオのマネジメント
  • ポートフォリオの出口戦略

6.総括

本書に載せた、ポートフォリオの資産配分(アセット・アロケーション)の例では、良く言えば、従来の分散投資の考え方に捉われない柔軟な資産配分というのを提案しています。

しかし、悪く言えば、私の独断と偏見に満ちた取捨選択であるとも言えます。

そして、それは第4章・第5章に限らず、本書全体を通じて、私が世の中を斜めに見ているように感じられるかもしれません。

ただ、考え方の背景にある意図などについては、なるべく詳しく書いたつもりです。

ですから、私の考え方を批判するようなつもりで、考えながら読んでいただけたらと思います。

そうすれば、本書を読まれることで、きっと十分な金融リテラシーを身につけることができるはずだと自負しています。

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