1.日経平均株価上昇の立役者
日経平均株価が本日(2021年2月15日)、3万円の大台を回復しました。
これは、1990年8月以来30年半ぶりとなります。
ただ、この上昇過程において、日本株を買ってきたのは「外国人投資家」と「日銀」であり、全体として個人はほぼ一貫して売り続けてきたのです。
そして、これから先、日本株が盛り上がっていくかどうかは、個人投資家の動向にかかっていると言えそうです。
株価が大きく暴落すると、暴落前の水準を回復するには、投資家の世代が切り替わる1世代分(30年程度)の時間がかかると言われたりします。
そういったことも加味すると、今後の日本株には期待できるのかもしれません。
2.株価指数を主導する一部の銘柄
ところで、日経平均株価は構成する銘柄の全てが均等に上昇しているわけではありません。
むしろ、日経平均株価の上昇に大きく寄与している銘柄は10~20銘柄ほどなのです。
それは例えば、ファーストリテイリングや、ソフトバンクグループ、エムスリー、東京エレクトロン、ダイキン工業、中外製薬、信越化学工業、などといった銘柄になります。
こういった状況は米国株ではさらに顕著であり、一部のハイテク株ばかりが株価を上げているような状況です。
ただ、一部の銘柄への極端な偏り、またグロース株にとっては逆風となる長期金利の上昇などから、他の銘柄へと物色対象を広げる動きが見られているのも事実です。
3.銘柄選別がますます重要なものに
例えば、ホテル、鉄道など、コロナ禍の終息期待で上がっていると思われるような銘柄が散見されます。
他に、信用倍率が低い(信用売り残が多い)銘柄が買われたり、神戸製鋼所のように割安な景気敏感株が買われたりもしています。
とはいえ、オフィスや鉄道に代表されるように、コロナが終息しても、コロナ前の水準に戻るとは限らない業種もあるでしょう。
また、神戸製鋼所などのように、今後の成長がほとんど期待できず、下げ過ぎた反動で戻っているとしか思えないような銘柄もあります。
そのため、既にある程度の上昇を認めている、特に大型のバリュー株は、今からでは買いづらい面もあります。
一方で、堅実に成長している、あるいは好業績であるにも関わらず、割安な銘柄というのも、依然として存在しています。
そして、そのような銘柄であれば、株式市場が今後ある程度調整したとしても、調整幅が比較的、軽微なもので済むのではないかと思われます。
コロナ禍で、好調な企業とそうでない企業とが鮮明に分かれましたが、この先の相場においても、銘柄選別がますます重要なものとなってくるでしょう。