読書録・書評

【読書録・書評】『やさしい低位株投資』

1.書籍の概要

ここでは、以下の書籍についてのレビューを書いていきたいと思います。

  • やさしい低位株投資
  • 著者:旭 洋子
  • 出版日:2000/10/18
  • お役立ち度 :
  • 難易度   :
  • マニアック度:
  • 分類:株式投資、低位株

まずは、本書の概要からです。

本書は、林輝太郎氏を師と仰ぐ、旭洋子氏による3冊目の著書であり、その内容は、1冊目と2冊目の著書をまとめたものとなっています。

文章も一部改訂されてはいますが、全く変えずに転載されている部分がほとんどですので、よろしければ以下の記事で書いた、同氏の1冊目と2冊目の著書のレビューもご参照いただければと思います。

そして、ここではその改訂されている部分についてのみ、一部を抜粋しながらレビューしていくことにします。

なお、本書の章立ては、以下のようになっています。

  • 第1章:株の概略
  • 第2章:準備編
  • 第3章:実践編

2.株の「リズム」と「うねり」

本書の第1章では、株の「リズム」と「うねり」についての言及がありますので、それぞれについて見ていきます。

まず、「リズム」については、次のように書かれています。

普通、株価は、上がるにしても、下がるにしても一本調子に同じ方向に動くのではなく、例えば三日上げては三日下げ、また三日上げては三日下げを繰り返しながら、動いた方向に向かって行くといったような動きをリズムがあると言っています。

もちろん、ここにある3日というのは例えばの話で、1日の動きであったり、5日の動きであったりもします。

次に、「うねり」については、以下のように説明されています。

普通、上げ始めてから目先の天井をつけ、下げ出してから目先の底をつけるまで、あるいは下げ始めてから目先の底をつけ、上げ出してから目先の天井をつけるまでの値動きをうねりと言っています。

一進一退を繰り返しながら動いた方向に向かって相当の期間動き、目的を達成するのですが、その期間を「日柄」と言います。「日柄」を重ねながら動く値幅の動きを「波動」と言っています。したがって「日柄」を経て描く「波動」が「うねり」となるわけです。

また、ここにある「日柄」や「波動」にはかなりの規則性があり、一般には次のようなものがよく言われているとも書かれています。

  • 3か月波動
  • 6か月波動
  • 9か月波動

そして、著者が言うように、『この「日柄」「波動」「うねり」をしっかりと捉えられるか否かで随分、利益確保に差がつきます』というのは同感です。

3.カラ売りの銘柄選び

カラ売りの銘柄選びについては、「カラ売りを避けたほうが良い銘柄」と「カラ売りに適した銘柄、」とに分けて、旭氏の2冊目の著書でも触れられていました。

そして、主旨は変わりないのですが、本書ではそれぞれ以下のように、項目の追記がなされています。

まず、「カラ売りを避けたほうが良い銘柄」としては、次のようなものが挙げられています。

  1. 仕手が介入しているような銘柄
  2. 人気のある銘柄
  3. 証券会社がテーマ株として取り上げている銘柄
  4. 非常な業績好転が見込まれる銘柄
  5. 値嵩株
  6. 資本金の小さい銘柄
  7. 二部、店頭株

また、「カラ売りに適した銘柄」は次の通りです。

  1. 仕手が介入しない普通の銘柄
  2. 業績が頭打ちになりそうな銘柄、業績が悪化しそうな銘柄
  3. 特殊な好材料のない銘柄
  4. 人気のない銘柄
  5. 資本金の大きな(少なくても300億円以上)の銘柄
  6. 三段上げ完了の銘柄
  7. 罫線から見て、素直なある一定の動きをし、うねりを描く銘柄

4.総括

本書は、冒頭にも書いたように、旭氏の1冊目と2冊目の著書内容をまとめたものとなっています。

そして、例えば、場帖や玉帖などの見本となる図表も、きれいに整えられたものに差し替えられています。

ですから、もし同氏の1冊目や2冊目の著書をこれから読むのであれば、代わりに本書を読めばそれで事足りると言えます。

本書も基本的に、初心者向けの内容ではありますが、株式投資を行う上で押さえておくべき基本事項が簡潔明瞭にまとめられており、読むべき入門書の中の一冊として挙げられるのではないでしょうか。

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