相場のデータ・指標

「日経平均株価」のデータ分析(H30.7)(PER・PBR、海外投資家売買動向、日銀ETF買い入れ、ドル建て日経平均、バフェット指数、騰落レシオ)

ここでは、直近の「日経平均株価」について、といった観点から見ていきたいと思います。

なお、各指標に関しては、以下の記事でそれぞれ詳しく解説していますので、よろしければご参照ください。

1.PER・PBR

まず、日経平均株価に採用されている企業の平均PER(株価収益率)についてです。

この平均PERと日経平均株価の値から、平均EPS(一株当たり当期純利益)を求め、その平均EPSに13~17の数値を掛け合わせて、PER 13~17倍に相当する株価の推移を日経平均株価とともに表したのが以下の図になります。

日経平均株価とPER13~17倍相当株価の推移を示した図(H30.7)。

なお、7月3日大引けの時点で、PER13倍に相当する株価は、21819円となっています。

次に、平均PBR(株価純資産倍率)についてです。

PERと同様に、平均PBRと日経平均株価から平均BPS(一株当たり純資産)を求め、そこから導き出したPBR 1~1.5倍に相当する株価の推移を日経平均株価とともに示したのが以下の図になります。

日経平均株価とPBR1~1.5倍相当株価の推移を示した図(H30.7)。

なお、7月3日大引けの時点で、PBR 1.2倍に相当する株価は21969円、PBR 1.1倍に相当する株価は20138円となっています。

2.海外投資家の売買動向・日銀のETF買い入れ

次に、投資部門別売買状況(投資主体別売買動向)から、海外投資家の売買動向について見ていきます。

海外投資家の売買代金の差引き金額を累計したものの推移を、日経平均株価とともに示したのが以下の図です。

海外投資家の売買動向と日経平均株価の推移を示した図(H30.7)。

この図からも、2018年に入ってから海外投資家は売り越し傾向にあることが分かります。

ただ、日経平均株価はそこまで下がっておらず、高値圏を維持しています。

そこで、日銀のETF買い入れについても見ていきます。

ここでは、「設備投資・人材投資に積極的に取り組んでいる企業」の株式を対象としたETFを含む、日銀の買い入れている全てのETFの累計額を見ていきます。

この日銀によるETF買い入れ累計額と日経平均株価の推移を示したのが以下の図です。

日銀ETF買い入れ累計額と日経平均株価の推移を示した図(H30.7)。

さらに、日銀のETF買い入れ累計額と海外投資家の累計売買金額とを合計したものの推移を、日経平均株価とともに示したのが以下の図になります。

日銀ETF買い入れ累計額と海外投資家の累計売買金額との合計と日経平均株価の推移を示した図(H30.7)。

この図からも明らかなように、両者を合計したものは、日経平均株価と非常に強い相関を認めています。

海外投資家の売買動向、日銀の金融政策には注意を払っておく必要があるといえるでしょう。

3.ドル建て日経平均株価

では、海外投資家から見た日経平均株価である、ドル建て日経平均株価について見ていきます。

ドル建て日経平均株価を日経平均株価とともに示したのが以下の図です。

ドル建て日経平均株価の推移を示した図(H30.7)。

この図から、ドル建て日経平均株価は、バブル期を除いて、高値圏にあることが分かります(赤い点線で示した200ドル前後の水準)。

4.バフェット指数

続いて、バフェット指数を見てみます。

バフェット指数=株式時価総額/名目GDP×100

バフェット指数は上記の式で求められますが、日本株では株式時価総額に「東証1部の株式時価総額」が一般に用いられますので、ここでもそのデータを使用しています。

そして、バフェット指数の推移を日経平均株価とともに示したのが以下の図です。

バフェット指数と日経平均株価(H30.7)。

バフェット指数では、100を超えてくると相場が過熱圏にあるとされますが、現在は100を大きく超えている状態であることが見て取れます。

5.騰落レシオ

最後に、25日騰落レシオについて見ていきます。

騰落レシオの推移を日経平均株価とともに示したのが以下の図になります。

騰落レシオと日経平均株価の推移を示した図(H30.7)。

騰落レシオでは、直近の相場は目先の底値圏に近いことが示されています。

ただ、騰落レシオは「だまし」の多い指標でもあるため、これだけでは何ともいえないところです。

6.総括

PERやPBRからは、日経平均株価は21000円台後半が目先の底値になりそうです。

また、日銀のETF買い入れや海外投資家の売買動向には、日経平均の今後を占ううえで重要なファクターだといえますが、日銀の金融政策はしばらく大きな変更はないでしょう。

海外投資家から見た日経平均である、ドル建て日経平均はちょうど200ドル前後と、バブル期を除いて、過去の高値圏にあります。

一般に、海外投資家は順張りの傾向があるため、この水準をある程度上抜ければ、さらに上げ足を速めることも十分考えられます。

そして、騰落レシオからは目先の底値圏といえそうですが、バフェット指数から見ると、高値圏にあるといえます。

直近の日経平均株価は、米国の通商政策への懸念から弱含んでいると思われますが、この問題による影響が落ち着きを見せれば、再び上値を目指すような展開も十分考えられます。

とはいえ、ドイツのメルケル政権やドイツ銀行など、金融危機の火種もくすぶっており、予断を許さない状況であることには変わりありません。

 

関連記事

  1. 各種金融商品・制度

    「金(ゴールド)価格」を需要と供給、NY金先物のCFTC建玉明細から見る!

    この記事では、金価格について、金(ゴールド)現物の需要と供給、NY金先…

  2. 相場のデータ・指標

    「東証REIT指数」:日銀のJ-REIT買い入れと投資信託の影響

    この記事では、日銀のJ-REIT買い入れや、「毎月決算型」・「国内 不…

  3. 相場のデータ・指標

    世界の合計という視点で、「バフェット指数」を考える!

    この記事では、世界計の株式時価総額と名目GDPを比較し、その見方や考え…

  4. 相場のデータ・指標

    PERとPBRから日経平均株価のレンジを測る!

    この記事では、日経平均株価に採用されている全企業の平均PERおよび平均…

  5. 相場のデータ・指標

    ハイ・イールド債の価格は危険水準!?

    この記事では、ハイ・イールド債とは何かやその割安・割高度合い、ハイ・イ…

  6. 相場のデータ・指標

    「米国長期金利」のデータ分析(H30.6)(日本と中国の米国債保有額・FRB保有債券残高)

    この記事では、直近の「米国長期金利」について、日本と中国の米国債保有額…

書籍を出版しました!

電子書籍(3冊全て、Amazonランキング1位獲得)

「マーケットの魔術師」ならぬ「マーケットの詐欺師」

精神科医が暴く金融業界の裏側

 

勝者の心構え

精神科医が看破する投資の本質

 

 

 

この心理的罠からあなたは逃れられるか

精神科医が洞察する投資家心理

 

  1. 投資戦略・手法・市場展望

    オプション取引④ オプション取引戦略(ストラドル、ストラングル、現金確保プット売…
  2. 相場のデータ・指標

    2種の「ブルベア指数」。一方は無用だが、もう一方は有用か!?
  3. 相場のデータ・指標

    PERとPBRから日経平均株価のレンジを測る!
  4. 投資の基礎知識・理論・心理

    投資関連商材、特に自動売買システムのここに注意!
  5. 相場のデータ・指標

    日銀のETF買い入れと日経平均株価
PAGE TOP