1.FPはどんなことをしているのか?
ファイナンシャル・プランナーというと、少しでも金融に詳しい方であれば、家計や保険、運用の相談をする人というイメージをお持ちではないかと思います。
実際、ファイナンシャル・プランナーとは、顧客の収支、資産などを基に、貯蓄や投資のプランニングを行う職種のことで、よくFPと略されます。
そして、ほとんどのFPは、ファイナンシャル・プラニング技能士という国家資格を持っています。
またFPは、金融機関などに勤務する「企業系FP」とそれ以外の「独立系FP」の2つに大別されます。
企業系FPは、自社の金融商品や保険を販売するのが仕事であり、当然投信や手数料の高い保険を販売することになります。
そうなると、投信のところで書いたように、実質的に顧客と利益相反となることになり、実際こうしたことは少なくありません。
では、独立系FPであればそういったことはないかというと、そんなことは全くありません。
独立系FPも投信や保険を仲介することができるため、それにより手数料を稼ぐことができます。
また、独立系FPは他にも、マネー雑誌等の原稿を書いたりしています。
以前、あるメジャーなマネー雑誌で、FPが「投資によって毎月5%ずつ増やしていく」ことを前提とした記事を書いているのを見たことがあります。
その記事は、家計の節約術に主眼を置いた記事だったので、投資に関する記載はほとんどなかったのですが、それにしてもあまりにいい加減なことを書いているなと感じました。
仮に、毎月5%ずつ増やしていくことが出来たとすると、資産は1年で約1.8倍、10年で約350倍になります。
こんな夢のような投資法があるなら是非とも教えて欲しいものです。
それに、投資をされたことのある方なら分かると思いますが、利益が出ることもあれば損失が出ることもあるのが、相場の世界です。
毎月コンスタントに、しかも月5%などという高利回りを出し続けることなど、ほぼ不可能です。
そんなことが可能だと謳うのは、無知な人間か詐欺師かのどちらかでしょう。
ですから、ここで例に挙げた記事を書いたFPは、きっと投資をしたことなんてないに違いありません。
はっきり言って、FPの投資に関する知識はこの程度のものであることがほとんどです。
彼らの多くはしょせん、投信や保険の営業マンに過ぎないのです。
2.FPへの相談は慎重に
以上書いてきたように、少なくとも投資や保険についてはFPに相談するのは避けるべきだと考えています。
ただ、保険に関してはFPに相談せざるを得ない場合もあり、その際には自分でも保険に関する最低限の知識を身に付けておく必要があります。
そうすれば、相談した際にFPが良心的なアドバイスをしてくれているか否か、つまり信用できるどうかが判断できるからです。
なお、医療保険と生命保険に関しては以下の記事で簡単にまとめてありますので、参考にしていただければと思います。これらの保険に関しては、ここに書いてある内容を理解しておけば十分だといえます。
さて、一方で投資や保険以外にもお金に関することというのは多岐に渡ります。
それには例えば、節約術などの家計管理、税金や相続などといったことが挙げられ、こういった事柄に関してはFPに相談してもよいのではないかと思います。
もちろん、こういった内容の相談をするにしても、信頼できるFPを選ばなくてはなりません。
この信頼できるFPを探すというのは楽なことではないかもしれませんが、ネット上で情報発信しているFPの記事をいくつか読めば、そのFPの能力や信頼できるかどうかがある程度は分かるはずです。
生命保険は正しい活用を!の最後にも書きましたが、どうしても信頼できそうなFPが見つからないという場合には、相談内容(相続や節税など)によってはご紹介させていただくことも可能ですので、お気軽にお問い合わせいただければと思います。
とりあえずここでは、投資や保険に関してFPに相談するのは注意が必要だということを理解していただければ幸いです。