ここでは、投資の必要性の中でも、特に若い人にとってはどうかということについて書いていきたいと思います。
なぜ、あえて若い人を区別して考えるのかというと、一般に若いうちは給料も低く、貯金も多くないため、投資をするための資金に乏しいからです。
投資で年利10%は十分すぎるほどの高利回りですが、仮にそれを実現できたとします。
しかし、資金が100万円の人の10%である10万円と、1億円の人の10%である1千万円では大きな差があるように、元手が少ないとその分、金融資産を築くのに時間がかかってしまいます。
加えて、投資では資金を失ってしまうリスクが当然ありますが、実は資金が多い方がリスクを減らすための手段も多いのです。
なお、資金が少ない人でも大きく資金を増やせるような投資法もあるにはあるのですが、ここではあくまで一般論として書いています。
一方で、若い人たちも悪いことばかりではありません。若い人には、多くの時間や自由があるからです。
そして、長期的に見た場合に、その時間をどのように配分していくのかが大事になってきます。
もちろん、若いうちから資産運用の勉強をして実践で経験を積み重ねていくことも大事です。
ただそれ以上に、、本業に精を出したり、あるいは起業に向けて努力を積み重ねたりした方が、人生全体という長期的な視点では、結果的に投資収益率が高くなるのではないかと考えられます。
このことは、金融資本と人的資本という概念を用いて説明されることもあります。
簡潔に説明すると、金融資本とは預貯金や株などの有価証券、不動産などのことで、人的資本とは労働により将来にわたって得られるお金のことをいいます。
一般に年配の人は、金融資本を多く持つ一方で、人的資本は限られているのに対し、若い人では金融資本は多くありませんが、人的資本は豊富にあります。
そして、若いうちはより人的資本に投資をした方が、最終的に大きな金融資本を得ることにつながるのではないかと考えているわけです。
だからといって、繰り返しになりますが、若い人は投資の勉強をあまりしなくても良いというわけではありません。
要はバランスの問題なのですが、あまり若いうちから投資に入れ込み過ぎてしまうのもどうかと思い、あえて本稿を書きました。