相場のデータ・指標

【2021年6月末時点】ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイの最新ポートフォリオ

1.バークシャー・ハザウェイ率いるウォーレン・バフェット氏

今回は、米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハザウェイ(BRK)の2021年6月末時点でのポートフォリオについて見ていきたいと思います。

バフェット氏は、「投資の神様」や「オマハの賢人」とも呼ばれることもあることからも分かるように、過去35年間(1986-2020年)の年平均リターンは、15.2%と驚異的なものとなっています。(同期間のS&P 500の年平均リターンは、8.5%。)

ただ、下の表に示すように、最近の10年間で見ると、やや様相が異なっていることが分かります。

年平均リターン BRK S&P 500 超過リターン
過去3年間(2018-2020) 5.3% 11.9% -6.6%
過去5年間(2016-2020) 11.9% 12.9% -1.0%
過去10年間(2011-2020) 11.2% 11.5% -0.3%

過去3年間(2018-2020年)および、過去5年間(2016-2020年)、過去10年間(2011-2020年)のいずれの期間においても、S&P500をアンダーパフォームしているのです。

これは、米国株の上昇が続いていることから、バフェット氏のお眼鏡に適うような割安株が見つかりづらくなったことも要因の一つではないかと思われます。

実際、バークシャーの現金等の待機資金は、2010年頃より増加傾向となっています。

2.米証券取引委員会(SEC)への報告書提出義務

さて、バフェット氏に限りませんが、著名投資家たちのポートフォリオを知ることができるのには理由があります。

これは、米国では運用資産が1億ドル以上の機関投資家は、四半期ごとに証券取引委員会(SEC)への報告書提出が義務付けられているためです。

この報告書は、SECのホームページから閲覧することができ、著名投資家たちのポートフォリオの保有銘柄や株数などを知ることができるのです。

ただ、各四半期末から45日以内が報告書の提出期限であることから、公開されたポートフォリオが最新のものであるとは限らない点には注意が必要です。

また、公開されるのは、米国上場株および、ロングポジションのみとなっています。

さて、各四半期から45日以内が提出期限ということから、2月中旬、5月中旬、8月中旬、11月中旬に報告書が更新されることが多くなります。

つまり、8月中旬頃には、著名投資家たちの6月末時点でのポートフォリオが数多く公開されていたというわけです。

3.バークシャー・ハザウェイのポートフォリオ

それでは早速、バークシャー・ハザウェイの2021年6月末時点でのポートフォリオを見ていきます。(図では上位15銘柄を示しています。)

バークシャー・ハザウェイの2021年6月末時点でのポートフォリオを示した図

また、この四半期前の2021年3月末のポートフォリオを示したのが下図になります。

バークシャー・ハザウェイの2021年3月末時点でのポートフォリオを示した図

この両者を見て分かるように、ほとんど変化はありませんでした。

強いて言えば、GM(ゼネラル・モーターズ:自動車メーカー)を約10.5%売却、KR(クローガー:スーパーマーケットチェーン)が約21%買い増しとなっていたくらいです。

4.バークシャー・ハザウェイの主な組み入れ比率の変化銘柄と総括

そこで、さらに踏み込んで、21年3月末から21年6月末までの間に、バークシャー・ハザウェイのポートフォリオで組み入れ比率に変化のあった銘柄を見ていくことにします。

ティッカー 銘柄名 組み入れ比率 持分変動
OGN Organon & Co 0.02% 新規買い
KR The Kroger Co 0.81% 約21%増
AON Aon PLC 0.36% 約7.3%増
RH RH 0.42% 約2.0%増
ティッカー 銘柄名 組み入れ比率 持分変動
ABBV AbbVie Inc 0.79% 約10.2%減
GM General Motors Co 1.21% 約10.5%減
BMY Bristol-Myers Squibb Company 0.60% 約15.3%減
MMC Marsh & McLennan Companies Inc 0.20% 約20.6%減
MRK Merck & Co Inc 0.24% 約48.8%減
LBTYK Liberty Global PLC 0.02% 約74.5%減
BIIB Biogen Inc 0% 完全売却
LBTYA Liberty Global PLC 0% 完全売却
AXTA Axalta Coating Systems Ltd 0% 完全売却

まずは、新規買い、または買い増しされた4銘柄について、それぞれの企業の概要と株価の値ごろ感を見ていきます。

  • OGN(オルガノン・アンド・カンパニー)
    製薬会社。業績はほぼ横ばいも、割安感あり。
  • KR(クローガー)
    スーパーマーケットチェーン。業績堅調も、やや割高感あり。
  • AON(エーオン)
    保険関連企業。業績堅調も、割高感あり。
  • RH(RH)
    高級家具販売。業績好調も、割高感あり。

続いて、売却もしくは完全売却となって銘柄を見ていくと、ABBV(アッヴィ)、BMY(ブリストル・マイヤーズ・スクイブ)、MRK(メルク)、BIIB(バイオジェン)と、製薬企業が目立つことが分かります。

理由は分かりませんが、製薬企業には見切りを付けたということでしょうか。

そして、バークシャーのポートフォリオの特徴は、何と言ってもAAPL(アップル)の組み入れ比率がかなり高いことです。

21年3月末から21年6月末までの間では、アップル株の売買はなかったものの、株価が上昇していたことから、組み入れ比率はやや上昇となっていました。

年内あるいは、22年の初めから、FRBによるテーパリングが開始される見込みとなっていますが、これはアップルのようなハイテク株にとっては特に逆風となりそうです。

そういった意味でも、これからバークシャーがポートフォリオをどのようにマネジメントしていくのかには注目が集まるところでしょう。

デビッド・テッパー氏率いるアパルーサ・マネジメントの最新ポートフォリオ(2021年6月末時点)前のページ

【2021年9月】「東証REIT指数」の最新データ分析(NAV倍率・分配金利回り・TOPIX・東証1部株式の配当利回り・投信の資産増減状況)次のページ

関連記事

  1. 相場のデータ・指標

    外国人投資家(海外投資家)の日経平均先物(日経225先物)の売買動向と日経平均株価

    この記事では、投資部門別取引状況(投資主体別売買動向)のデータから、外…

  2. 相場のデータ・指標

    【2021年10月】「日経平均株価」のデータ分析(PER・PBR、海外投資家売買動向、日銀ETF買い…

    この記事では、直近の「日経平均株価」について、PER・PBR、海外投資…

  3. 相場のデータ・指標

    「ドル円相場」のデータ分析(2021.6)(日米10年国債利回り・購買力平価・ソロスチャート)

    この記事では、日米10年国債利回り、購買力平価、修正ソロスチャート(修…

  4. 相場のデータ・指標

    「米国株(S&P 500)」のデータ分析(2021.7)(PER・CAPEレシオ・ブルベア…

    この記事では、直近の「米国株(S&P 500)」について、PER・CA…

  5. 相場のデータ・指標

    信用評価損益率で相場の底値圏を探る!

    この記事では、信用取引や信用評価損益率について説明しており、信用評価損…

  6. 相場のデータ・指標

    2021年(丑年)の相場は、「丑つまずき」となるか?

    この記事では、2021年の日本株(日経平均株価)を十干十二支や陰陽五行…

書籍を出版しました!

電子書籍(3冊全て、Amazonランキング1位獲得)

「マーケットの魔術師」ならぬ「マーケットの詐欺師」

精神科医が暴く金融業界の裏側

 

勝者の心構え

精神科医が看破する投資の本質

 

 

 

この心理的罠からあなたは逃れられるか

精神科医が洞察する投資家心理

 

  1. 投資の基礎知識・理論・心理

    ギャンブラーの誤謬をどう投資に生かすのか?
  2. 相場のデータ・指標

    「東証REIT指数」のデータ分析(2020.9)(NAV倍率・分配金利回り・TO…
  3. 投資の基礎知識・理論・心理

    マネーストック(M2)増加は、金価格上昇につながるのか!?
  4. 読書録・書評

    【読書録・書評】『2020年以降の業界地図 東京五輪後でもぐんぐん伸びるニッポン…
  5. 投資の基礎知識・理論・心理

    投資はギャンブルか?
PAGE TOP