読書録・書評

【読書録・書評】『世界のエリート投資家は何を見て動くのか:自分のお金を確実に守り、増やすために 』

ここでは、以下の書籍についてのレビューを書いていきたいと思います。

1.書籍の概要

まずは、本書の概要からです。

  • お役立ち度:
  • 難易度:
  • マニアック度:
  • 分類:投資戦略、自己啓発

本書は、アメリカの著名なコーチとして活躍する、アンソニー・ロビンズが、世界のエリート投資家にインタビューを行い、そのエッセンスをまとめた内容となっています。

本書は、原著を【実践編】と【証言編】の2冊に分けて翻訳されたうちの、【証言編】の方になりますが、章立てとしては、以下のようになっています。

  • 第1章:「投資界のカリスマ」は何を見て動くのか
  • 第2章:「投資のチャンス」は到るところに
  • 第3章:人生を切り拓くのは「知識」ではなく「行動」
  • 第4章:「真の豊かさ」を手にする最後の秘密

なお、【実践編】の方については、以下の記事でレビューを書いていますので、よろしければご参照ください。

ここでは、本書の中で気になった部分や参考になった部分について、一部を抜粋しながらレビューしていきたいと思います。

2.「投資界のカリスマ」たちの投資戦略

本書の第1章は、投資界の大物たち12人へインタビューした内容が書かれています。

ここでは、そのうちの何人かについて取り上げてみたいと思います。

まずは、バークレイズ・ハサウェイCEOのウォーレン・バフェットのインタビューです。

その中で、個人投資家へのアドバイスとして、「市場の広範な世界優良企業をカバーするインデックスファンドに投資して、長期間保有する」ことを挙げています。

また、次のように言っています。

「10%を短期米国債、90%を低コストのS&P500インデックスファンド(バンガードをお勧めする)に投資する。長期的に見ると、この資産配分でいけば、他のどんな投資家―年金ファンドであれ、機関投資家であれ、高い料金を払ってプロにアドバイスを受ける個人投資家であれ―よりも、大きな収益が得られると信じているよ」

次に、チャールズ・シュワブです。彼は、格安手数料で有名な証券会社チャールズ・シュワブの創業者です。

インタビューの中で、彼は次のように言っています。

投資家の98%は日常生活に時間をとられ、投資に時間を費やす余裕などない。職業人は自分の仕事に十分な時間をかけて、社会に貢献してほしい。投資に精通しているのは、人口のわずか2%に過ぎず、残りはアドバイスや助けが必要だ。

私は早くにこの事実に気づき、ビジネスに発展させた。「人口の98%は、主にインデックスファンドに投資すべきだ」というのが私の見解だ。インデックスファンドの実績は、一番予想しやすい。株式銘柄を自分で選ぶのは難しいし、時間もかかるから、時間に追われる人には向かない。

続いて、著名な投資家である、ジョン・テンプルトン卿についてです。

ジョン・テンプルトン卿については、次のエピソードが有名です。

それは、第二次世界大戦が勃発した1939年9月に、ニューヨーク市場で価格が1ドル以下に下落した株を全て100ドル分ずつ買ったというもので、これにより彼は巨額の資産を築いたのです。

3.最先端のテクノロジー

第2章では、「テクノロジーの進化する方向を学べば、「人生最大の投資チャンス」を見つけることができる」とのことで、最先端のテクノロジーなどについて書かれています。

具体的には、世界のエネルギー需要問題や3Dプリンター、ナノテクノロジー、ロボット工学、組織再生医療などについてです。

例えば、3Dプリンターについては、「何がつくれるか?」と聞くより、「つくれないものは何か?」と聞く方が適切だろうと書いているように、あらゆるものをつくることができると書かれています。

実際に、3Dプリンターにより製造されたものとして、運動靴、金のブレスレット、航空機の部品、ナイフとフォーク、ビキニ水着、ギター、太陽光パネル、気管や耳、歯、家といったものが挙げられています。

また、アフリカ諸国などの真水不足問題に対しては、海水淡水化装置や、イスラエルのウォータージェン社が生産してる、空気中の水分を凝縮して真水をつくる機械などが紹介されています。

他にも、耕作地不足や農業汚染という問題に対しては、従来の水平農法とは違う垂直農法(室内農法の一種。高層の建物内で垂直的に農作業を行う)が紹介されています。

そして、「コンピューターが管理する食肉工場で試験管内で筋肉細胞を培養できるようになり、家畜を殺す必要がなくなる。環境に悪影響を与えずに、低価格・高栄養の食肉を生産できるようになる日が来る」といったようなことなども書かれています。

4.豊かな人生を送るための決断

第3章では、「充足感のない成功は「究極の失敗」だ」ということで、豊かな人生を送る「究極の秘密」とは、「人とシェアして楽しむことだ」と書かれています。

また、「人生の質」を最終的にコントロールするのは、自分の決断であり、「人生で下す主要な決断は3つある」として、次の3つが挙げられています。

  • 何に注目するか
  • 「注目すること」に、どんな意味づけをするか
  • どんな行動を取るか

まず「何に注目するか」というのは、「今ないもの」ではなく「今あるもの」に注目したり、「コントロール不可能」なものではなく「コントロール可能」なものに注目するということです。

次の「意味づけ」というのは、「人生の質」は起きたことに自分がどんな意味を与えるかによって決まるということです。

そして、最後の「行動」については、「意味」が「感情」を作り出し、この感情が将来の行動を大きく左右する、つまり自分の感情パターンに気づかなければ、行動を変えることはできないと書かれています。

5.「真の豊かさ」を手にするための投資

最後の第4章では、「お金の使い道」で幸福度は決まるということで、次のような「3つの使い道」について書かれています。

  • 経験に投資する
  • 時間を節約するために投資する
  • 人に投資する

特に、3つ目の「人に投資する」ということについて主に触れられています。

「自分のためよりも、人のためにお金を使った方が、大きな満足感が得られる」、「人に与えることでより幸せに、かつより健康になれるのだ」といったことや寄付することの意義などについて書かれています。

6.総括

本書の第1章では、投資界の大物たち12人へインタビューした内容が書かれていますが、一人当たり10~20ページ程度の内容であり、表面的なものにとどまっているといった感が否めませんでした。

そして、第3章や第4章は、広義の意味での投資ともいえる、自己啓発的な内容についてですが、そこに書かれている、様々な人物たちのストーリーや逸話は、心を奮い立たせるような内容であったといえます。

また、個人的に最も参考になったのは、最先端のテクノロジーについて書かれた第2章になります。

そこで書かれているような技術革新のスピードは想像以上であり、未知のものに対して恐怖感を抱くほどですが、それは世界中の人の生活の質を高めるものだと、本書では前向きに捉えられています。

一方で、様々な分野における技術革新というのは、現在、特定の分野で主導的な地位にある企業の立場を、そう遠くない将来に危うくしかねないのではと感じました。

ですから、長期投資を行っていく場合には、産業構造を大きく変化させかねない最先端のテクノロジーなどにも、常に視線を注いでおく必要があるといえそうです。

 

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