各種金融商品・制度

NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)を活用しよう!

1.NISAとは

NISAは、イギリスの個人貯蓄口座(Individual Saving Account=ISA)を参考にして作られた制度で、NはNipponを意味し、日本版ISAと呼ばれたりもします。

そして、このNISAというのは、年間120万円までの株式や投資信託への投資に対しては、購入してから最長5年間の運用期間内であれば、その売却益や配当に対して税金がかからないという制度になります。

なお、年間120万円の投資枠というのは一度使ってしまうとそれまでとなります。仮に、10万円で株式を購入して、その年のうちに売却したとしても、その年の残りのNISA利用枠は110万円というわけです。

また、年間120万円の投資枠のうち、使い切らなかった分を翌年に持ち越すこともできません。

 

2.NISAを始めるには

NISAを始めるには、まず証券口座を開設し、その後にNISA口座を開設することになります。(NISA口座は2014年から2023年までの10年間開設できます。)

証券口座は複数開設することが可能ですが、NISA口座に関しては一人1口座となっているため、NISA口座を開設する証券会社に関しては慎重に選ぶ必要があるといえます。

ただ、おススメ証券口座 ×SBI証券ではなく、○楽天証券を!のところで書きましたが、NISA口座に関しても、楽天証券で口座開設をしておけば間違いないでしょう。

楽天証券のNISA口座では、国内株式の売買手数料が無料ですし、金融商品の取扱も豊富だからです。

 

3.NISAのメリット・デメリット

NISAでは、年間120万円の範囲内であれば、入金するタイミングや額は自由ですし、いつでも株式や投資信託を売却して現金化し、出金することができます。

これはiDeco(イデコ:個人型確定拠出年金)にはない、大きなメリットだといえます。(イデコに関してはこちらの記事をご参照下さい。)

一方で、デメリットもあります。それは、損失が出てしまった場合に、損益通算や損失繰越ができないことです。

損益通算できないというのは、NISA口座と他の特定口座や一般口座との損益通算ができないということです。

損失繰越に関しても、一般口座や特定口座では、確定申告することにより、その年の損失を3年間繰越すことができますが、この損失繰越もNISA口座ではできません。

そして、他にもいくつか注意点があります。

例えば、5年間の非課税期間が終わり、その間に下落してしまったNISA口座の株式を、特定口座や一般口座に移した(移管した)とします。その後、株価が上昇して売却した場合には、たとえNISA口座で購入したときの買値を超えていなかったとしても、移管した際の株価との比較で売却益に対して課税されてしまうのです。

また、配当金の受取方式が、株式比例配分方式以外(配当金領収証方式や登録配当金受領口座方式)のものになっている場合には、配当金に課税されてしまうので注意が必要です。

ただ、こういったデメリットや注意点を差し引いても、年間120万円までの投資の利益に対して非課税というのは大きなメリットであり、利用を検討するに値する制度だと考えています。

 

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