各種金融商品・制度

生命保険は正しい活用を!

1.生命保険の種類

生命保険とは、実は幅広い保険を含む総称なのですが、一般的には死亡保険という狭い意味で使われることが多いかと思います。

その死亡保険についても多くの種類があるのですが、定期保険、終身保険、養老保険と大きく3つに分類できます。

まずは、これらについてそれぞれ簡単に説明してきます。

  • 定期保険

定期保険は、10年間や20年間などといった一定の保険期間内に死亡したときのみ死亡保険金が支払われるものです。

保険料は掛け捨てで、終身保険や養老保険と違い、解約返戻金もありません。

ただその分、安い保険料で大きな保証が得られるといえます。

※解約返戻金とは、保険を解約した際に戻ってくるお金のことです。

  • 終身保険

その名の通り、死亡保障が一生涯続くもので、定期保険や養老保険と違い、満期はありません。

ただ、いつかは必ず死亡保険金が支払われることになります。

また、掛け捨てではないため、そういった意味では貯蓄性もあるとされます。

そして、保険料を支払う年数が経過するほど、解約返戻金の返戻率が上昇し、支払った保険料の合計額を上回る場合もあります。この点に関しては、養老保険も同様です。

  • 養老保険

養老保険にも、定期保険と同様に20年間や60歳までなどといった満期があります。

養老保険の最大の特徴は、定期保険や終身保険と違い、満期保険金があることです。

満期までに死亡した場合には死亡保険金が支払われ、死亡せずに満期を迎えた場合には、死亡保険金と同額の満期保険金が受け取れます。

この満期保険金がある分、定期保険や終身保険よりも保険料は割高となります。

 

2.生命保険を選ぶポイント

以上、代表的な生命保険(死亡保険)について簡単に書いてきました。

そして、ここが重要なポイントなのですが、保険への加入を検討すべきなのは、緊急に大きなお金が必要となるような事態に備えておく必要がある場合だと考えます。

具体的には、幼い子供がいて、まだ十分な貯蓄ができていないような世帯です。そのような世帯で、仮に世帯主が急死してしまった場合には、残された遺族に大きな経済的負担がのしかかってくるためです。このような場合、申請すれば国から遺族年金が支払われますが、これだけでは決して十分とはいえません。

ですから、こういった場合には、生命保険への加入を検討すべきだといえますが、はっきり言って加入するのは定期保険だけで十分です。

なお、定期保険に加入するに当たっては、インターネットで申し込めるネット生保(ライフネット生命やアクサダイレクト生命)で申し込んでおくのが無難でしょう。

ネット生保であれば、一般の保険会社で必要となってくる、多くの営業マンの人件費などといったコストが大幅に削減されるため、その分保険料も割安になります。

ただ、ネット生保が最安値というわけではなく、またネット生保では手続きの際に、自分で説明を読み、理解・判断していくという手間がかかります。

とはいえ、金融機関や保険代理店の窓口で相談すると、別の商品や余計な商品を勧められる可能性があるので、やはりネット生保で申し込むのが無難です。

そして、繰り返しになりますが、終身保険や養老保険に加入する必要性は低いと考えます。

保険というのは、たとえ有利に見えるようなものであっても、特に手数料の高い金融商品だからです。

この保険の手数料に関してはずっと公表されてきていませんでした。

しかし金融庁が、銀行が窓口で取り扱っている保険の手数料が不透明だと問題視したこともあり、大手銀や地銀は2016年10月から一部の保険の手数料を開示しています。

それによると、例えば外貨建て一時払い終身保険では、平均して約7%もの手数料が銀行に入ります。さらにそこから保険会社の収益分も引かれることになります。

普通に考えて、ここまでコストの高い商品を購入するというのは馬鹿げたことです。

一方で、こうした高いコストにも関わらず、終身保険や養老保険では、解約返戻金がそれまでに払い込んだ保険料の累計額を超えてくることがあります。

そのため、これらの保険では貯蓄性もあると喧伝されるのですが、ここに関しては冷静に考えてみる必要があります。金融機関が自分たちが儲からないような商品を販売するはずがないからです。

 

3.生命保険の貯蓄性を検討

ここからは、終身保険や養老保険の貯蓄性ということについて、具体的な例を挙げて考えていきます。

例えば、30歳時に、60歳までの30年間にわたり保険料を払込むという商品設計の終身保険を検討していたとします。

その際に、30年間で払込む保険料の累計額を100としたとき、60歳時点での解約返戻金は110となるため貯蓄性もありますという説明をされると非常にお得な気がしてしまうかと思います。

というのも、銀行の預金金利が0.1%程度の現状では、複利でも30年間で元金の3%ほどしか金利がつかないからです。

死亡保障がついて、なおかつ解約返戻金が払込保険料を超えてくるとなれば、お得に感じて当然かもしれません。

そこで、そもそも保険会社はどうしてそのようなことが可能なのかを考えてみます。

高い手数料を銀行などに支払い、自分たちの収益も確保した上で、払込保険料を超える解約返戻金を保障できるのはなぜかということですが、それは保険会社が保険料を運用しているからです。

具体的に言うと、保険会社は保険料を国債や社債、株式などで運用しています。また、低金利環境が続く近年では、保有する国債の残存年限を長期化することで、より高い利回りを求めたり、日本国債よりも利回りの高い外国債券の割合を増やしたりもしています。

ここで、長期でお金を運用する際には、必ずそれと同期間のリスクフリーレートで比較検討してみる必要があります。ちなみにこれは、他の金融商品を検討する際にも非常に重要な考え方です。

リスクフリーレートとは、無リスク金利とも呼ばれ、無リスク資産とされる国債などの利回りのことをいいます。

この例では、30年間という期間のため、リスクフリーレートとして30年国債の利回りをみます。すると、直近の約半年間は0.8%前後で推移しています。

つまり、単純に30年国債を30年間保有しているだけで、単利でも24%、複利だと27%の利回りが得られることになります。

そして、米(アメリカ)30年国債の利回りは直近で2.8%前後ですし、これに加えて社債や株式も運用対象に加えれば、日本国債だけでの運用に比べて、さらに高い運用利回りが期待できます。

もちろん、各金融商品には価格変動のリスクもありますが、それは保険会社の運用にしても同じことです。

以上から、終身保険や養老保険が決してお得な商品というわけではなく、これらに加入するくらいなら、その保険料分の金額を貯蓄して自分で運用した方が効率的だといえますし、いざという時への備えに関してはネット生保の定期保険で事足ります。

定期保険のような掛け捨ては損だという人がいますが、掛け捨てだからこそ保険料が安く済むのです。

また、自分で運用するのはリスクが気になったり、手間がかかるという人もいるかもしれませんが、そういった人は下手な金融商品に手を出さず、貯蓄に励むだけでも十分です。

iDeco(個人型確定拠出年金)!? ちょっと待った!のところでも書きましたが、現在のように世界的な金融情勢において不確定要素が強い状況では、預貯金やタンス預金などのように流動性の高い状態で、資金を手元に置いておくだけでも、いざという時の助けになると考えるからです。

確かに終身保険や養老保険では、解約返戻金が払込保険料を上回ってくることがあるといっても、それは何十年も先の話であり、その時には世界がどうなっているか全く分からないのです。

 

4.生命保険の有効活用

最後に、ここまで書いてきたことと矛盾するようですが、生命保険が非常に価値を持つ場合というのも存在します。

それは例えば、生命保険を生前贈与することで、相続税をほとんど支払わなくて済むようにできたりするのです。

また、法人においては生命保険を活用することで、その資金繰りを支えることも出来ます。

ただ、こういった活用の仕方については、必ず信頼できる専門家に相談する必要があります。

私は残念ながら保険の専門家ではないので、もしこういった活用法にご興味のある方がおりましたら、本ブログのお問い合わせよりご相談いただければ、信頼できる専門家をご紹介させていただくことも可能です。

もちろん無料でご紹介させていただきますし、紹介により私が何か報酬を得るようなことは一切ありません。

世間では一部の富裕層だけが、保険などを活用して支払う税金を大幅に減らしており、知らないというただそれだけのことで、多くの人が割を食っているのが現実です。

ですから、せめて最後までこの記事をお読みいただいた方には、少しでもそのお役に立つことができればという思いから、こういったご提案をさせていただいているに過ぎません。

ただ、先方との信頼関係もあり、誰でもご紹介できるというわけではありませんので、その点につきましては予めご了承下さい。

 

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